2012年 春 佛手茶。
今日はこのお茶を淹れてみる。
佛手なので、蓮の葉の上に設えてみる。
このお茶を買い付けに行った頃はまだ春茶の焙煎が仕上がっていなかった。
もう少し火の気を落ち着かせて、最後の仕上げの焙煎に入れる手前のタイミングで買い付けに行った。
今年は穀雨の後に雨量が多く、お茶の成長が少し遅れたそう。
通常は7-8分火(約100時間)で仕上げる佛手茶や鉄観音茶。
5分火(約70時間)のタイミングでこのお茶に出会った。
でもテイスティングをさせてもらうと、
この味でも十分!と思えるほどだったので、
買い付けました。
茶を淹れているそばからあずき茶のような
とろりとした甘い香りが漂う。
茶湯は艶っぽくて、
まったりとした甘い香りが次第にフルーティーな香りに変化していく。
飲むと杏の香りが口いっぱいにひろがり、
ほんのり甘酸っぱい。
この茶は茶湯が少し冷めた頃にその力を発揮するのだと感じた。
お茶菓子は必要ないほど、
小さな茶杯一口がこころを満たす一杯になるに違いありません。
佛手は茶の品種の名前。重焙煎の鉄観音の製法を用いて作られるので、通常は木柵鉄観音という名前で売られることが多い。
他の茶葉と比べて、一枚の葉が女性の手のひらくらいの大きさにもなる。その見た目はまるで佛さまのてのひらのように見えることから佛手茶と名付けられた。
甘く柔らかく大きな手のひらに包まれて、
今宵は佛手茶とハグをする。
●2012年 春 佛手茶(5分火)20g 1600円
(お教室価格 20g 1400円)
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